カジノと聞いて何を想像しますか？きらびやかな照明、チップの積み重なる音、そして…ディーラーの手元で鮮やかに操られるトランプです。
自宅で遊ぶトランプも楽しいですが、カジノで使用されるトランプには、セキュリティ、耐久性、そして勝負の緊張感を高めるための様々な秘密が隠されています。
今回は、カジノの主役ともいえる「カジノ・トランプ」の世界を深掘りします。
1. 知っていますか？カジノトランプは「プラスチック製」が主流
自宅にあるトランプは、紙にコーティングが施されたものが一般的です。しかし、本場のカジノで使われるトランプは、そのほとんどが100%プラスチック製です。
なぜプラスチックでなければならないのでしょうか？
① 圧倒的な耐久性
カジノのトランプは、一晩で何百回、何千回とシャッフルされ、触れられます。紙製のトランプは、湿気や手の汗ですぐに傷んだり、曲がったり、角が折れてしまいます。
一方、プラスチック製は非常に頑丈で、多少の水分や汚れは拭き取ることができ、簡単に折れ曲がりません。これにより、ゲームの流れを妨げることなく、スムーズなプレイが長時間維持されます。
② 不正行為の防止
紙製の場合、わずかな「圧力」や「爪の跡」などでカードに微細なマーキングができてしまい、それが不正行為に繋がる可能性があります。
プラスチック製は弾力性が高いため、意図的なマーキングが非常に難しく、セキュリティ面で優れているのです。
2. 厳格な管理体制：カジノトランプの「短い寿命」
カジノで使用されるトランプは、非常に短期間で新しいものに交換されます。ブラックジャックやバカラなどのテーブルゲームでは、デック（組）単位で頻繁に入れ替えが行われますが、その理由は徹底したセキュリティ管理にあります。
その場で「廃棄」されるトランプたち
カジノのトランプは、使用後や交換時に、単純に倉庫に戻されるわけではありません。不正行為を防ぐため、物理的に再利用できない状態にされます。
最も一般的な廃棄方法は以下の通りです。
角を切る（コーナーカット）: トランプの四隅のいずれかを、専用のカッターで斜めに切り落とします。
穴を開ける（ホールパンチ）: トランプの真ん中や端に穴を開けます。
これらの処理をすることで、「このトランプはもうカジノ内では使えない」という目印になり、外部から持ち込まれたり、古くなったトランプが再びゲームに使われることを防ぎます。
ちなみに、この廃棄されたトランプは、カジノのコレクターアイテムとして販売されることもあります。
3. カジノトランプを主役とする代表的なゲーム
カジノトランプの真価が発揮されるのは、やはり勝負のテーブルです。
① ブラックジャック (Blackjack)
ディーラーとの読み合いが面白いゲームです。カジノによっては、複数のデック（6～8デック）をまとめてシャッフルし、「シューター」と呼ばれる箱に入れて使用します。ディーラーのスキルとトランプの扱いが、ゲームのテンポを左右します。
② バカラ (Baccarat)
富裕層に特に人気の高いゲームです。大量のデックを一度に使い、プレイヤーとバンカーのどちらが勝つかを予想します。バカラでは、カードのめくり方（スクイーズ）が非常に重要であり、プラスチック製であってもその瞬間の緊張感は最高潮に達します。
③ ポーカー (Poker / Texas Hold’em)
プレイヤー同士の駆け引きが醍醐味のゲームです。ポーカーでは、カードの背面のデザインも重要です。カジノによって「ブランド」や「色」が統一されており、テーブルごとの識別にも役立っています。
まとめ：トランプはカジノの「語り部」
私たちにとって単純な遊び道具であるトランプも、カジノの現場では**「セキュリティ」「耐久性」「公平性」**という重要な役割を担っています。
次にカジノの映像を見たり、実際に足を運ぶ機会があったりしたら、ぜひディーラーの手元に注目してみてください。
高性能なプラスチック製のトランプが、いかに素早く、そして正確に扱われているかを知ると、カジノというエンターテイメントが、いかに厳格な管理のもとに成り立っているのかが理解できるはずです。
トランプ一枚一枚に込められたカジノの哲学を感じながら、勝負の世界を楽しんでみましょう！