日本のカジノ、いつ実現?IR整備法から見えてくる可能性

日本でカジノがついに現実味を帯びてきた! というニュースは、多くの人の耳に届いていることでしょう。「日本でカジノがいつできるの?」と、期待や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

本日は、この「日本でカジノはいつ実現するのか?」という疑問に、IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)という法律の背景から、その可能性を探ってみたいと思います。

IR整備法とは? なぜカジノなのか?

まず、日本でのカジノ実現の鍵を握るのが、2018年に成立した「IR整備法」です。この法律は、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)の整備を推進するためのものです。

なぜカジノがIRの中心なのかというと、その収益性です。カジノは一般的に高い収益を生み出すとされており、IRという大規模な複合施設全体の経済効果を高めるための「起爆剤」として期待されています。IRには、カジノだけでなく、ホテル、国際会議場、劇場、商業施設、レストラン、エンターテイメント施設などが併設され、訪日外国人観光客の誘致や地域経済の活性化を目指しています。

IR整備法成立から現在までの道のり

IR整備法が成立してから、数年が経過しました。この間、政府はIRを誘致する自治体の公募を行い、いくつかの自治体が手を挙げました。しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。

主な課題として挙がったのは、以下の点です。

ギャンブル依存症対策: カジノ導入に伴うギャンブル依存症の増加への懸念は、国民の間でも大きな論点となりました。政府は、入場制限や相談窓口の設置など、様々な対策を盛り込むことで、この懸念に対応しようとしています。
治安・マネーロンダリング対策: カジノは、不正行為やマネーロンダリングの温床になる可能性も指摘されてきました。厳格な法規制や監視体制の構築が不可欠です。
地域経済への影響: IRが地域経済にどのような影響を与えるのか、そのプラス・マイナスの両面について、慎重な議論が重ねられました。
コロナ禍の影響: 世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスのパンデミックは、観光産業全体に大きな打撃を与え、IR計画の進捗にも影響を及ぼしました。外国人観光客の減少は、IRの経済効果を試算する上で大きな不確定要素となりました。
現在の状況と今後の見通し

これらの課題を乗り越え、現在、政府はIRの誘致・整備を進めています。

注目されているのは、以下の点です。

誘致自治体の動向: 現在、最も先行しているのは、大阪府・大阪市と長崎県です。それぞれの自治体は、具体的なIRの計画やパートナーとなる事業者(オペレーター)を選定し、国への申請準備を進めています。
事業者の選定: IRを運営する事業者(カジノオペレーター)の選定は、IRの成功を左右する重要な要素です。各自治体は、世界的なカジノオペレーターと連携し、魅力的なIRを構想しています。
国の審査: 選定された自治体と事業者は、国による厳格な審査を通過する必要があります。この審査では、安全性、経済効果、地域への貢献度などが総合的に評価されます。
「いつ」実現するのか?

では、具体的な「いつ」ですが、現時点では断定的なことは言えません。しかし、IR整備法が成立し、誘致自治体も具体的な計画を進めていること、そして政府もIR整備を推進していく姿勢を示していることから、「数年以内」の実現を目指していると言えるでしょう。

特に、大阪府・大阪市や長崎県は、2020年代前半〜中盤の開業を目指して計画を進めていた時期もありましたが、コロナ禍の影響などで遅延が生じています。それでも、計画自体は着実に前進しており、早ければ2020年代後半には、日本でカジノの営業が開始される可能性は十分に考えられます。

まとめ:期待と懸念、そして未来へ

日本でのカジノ実現は、多くの期待と同時に、懸念も伴います。経済効果や観光立国の推進というメリットがある一方で、ギャンブル依存症や治安への影響といった課題も無視できません。

政府や自治体、そして事業者は、これらの課題に真摯に向き合い、万全の対策を講じながらIRの整備を進めていく必要があります。

「日本でカジノはいつ?」という問いに対する答えは、まだ確定していません。しかし、着実に一歩ずつ進んでいることは確かです。今後の政府の発表や、誘致自治体の動向に注目しながら、日本におけるIRの未来を見守っていきましょう。