ギタリストの皆さん、こんにちは！今回は、ヴィンテージギターの世界で特に熱い視線を集める、ある特別な組み合わせについて語り合いたいと思います。
その主役は、**Epiphone Casino（エピフォン・カジノ）**と、エレキギターの歴史を象徴するトレモロユニット、**Bigsby B3（ビグスビー B3）**です。
フルホロウボディにP-90ピックアップを搭載したカジノに、優雅な曲線を描くB3が加わることで、単なる楽器という枠を超えた、息をのむほど美しい「アートピース」が誕生するのです。
1. Epiphone Casino：魂を揺さぶるフルホロウの響き
まず、ベースとなるエピフォン・カジノの魅力を再確認しましょう。
カジノは、セミアコースティックギター（セミアコ）と誤解されることもありますが、センターブロックを持たない**フルホロウボディ（完全な箱構造）**である点が最大の特徴です。この構造により、生々しく、空気感のある「鳴り」を生み出します。
そして、搭載されるP-90シングルコイルピックアップ。このピックアップが、カジノ特有のクリアさ、バイト感、そしてどこか泥臭いミッドレンジを提供します。ビートルズのメンバーが愛用していたことでも知られ、ロックンロール、ブルース、パワーポップなど、ジャンルを問わず愛される不朽の名機です。
2. Bigsby B3：曲線美と歴史が詰まったトレモロ
次に、トレモロユニット界のキング、Bigsbyです。
特にカジノと組み合わせる場合、ショートパーツであるB3モデルが選ばれることが多いです。B3は、テイルピース部分がコンパクトで、ギターのボディラインを邪魔しないスマートなデザインが特徴です。
B3がカジノに選ばれる理由
ルックスの相乗効果： B3の流線型でクロームメッキの輝きは、カジノのヴィンテージ感あふれるホロウボディと完璧に調和します。まるで最初からそのデザインのために設計されたかのような一体感があります。
軽量性： B7などの大型モデルに比べ、B3は軽量です。フルホロウボディであるカジノは、重量バランスも重要。B3はそこまで極端な重量増にならず、抱き心地を損ないません。
アーミングのフィーリング： Bigsby特有の「ゆったりとした」アーミング感は、アームを激しく動かすというよりも、音程を微妙に揺らしたり、コードの響きに深いヴァイブレーションを加える用途に最適です。カジノの持つ繊細な鳴りを壊さずに、表現の幅を広げてくれます。
3. Bigsby B3 Casinoのサウンド：ヴィンテージ・ヴァイブの極致
Bigsbyを搭載することで、カジノのサウンドはどのように変化するのでしょうか？
a. サスティンの変化
Bigsbyは、弦がテイルピースとブリッジの間で長い距離を稼働するため、搭載していないトラピーズテイルピース仕様に比べると、サスティン（持続時間）は若干短くなる傾向があります。
しかし、このサスティンの「短縮」こそが、かえってヴィンテージライクで、パーカッシブなサウンドを生み出す要素となります。レトロなロックやジャズ、ロカビリーにおいては、この適度なコンプ感と減衰の早さが求められることも多いのです。
b. 倍音と空気感
Bigsbyの金属パーツが共鳴することで、ギター全体の倍音成分が増し、サウンドに独特の「煌めき」が加わります。フルホロウの暖かさとP-90の明瞭さに、金属的なリッチさが加わることで、より立体的なサウンドが生まれます。
そして、軽くアームを揺らすだけで、まるで古いレコードから聴こえてくるような、どこかノスタルジックで甘いトレモロ効果が得られます。
4. まとめ：所有欲を満たす「大人のギター」へ
Bigsby B3 Casinoは、単なる機能を追加したカスタムモデルではありません。
それは、ルックス、サウンド、そして弾き心地のすべてが、高いレベルで融合した「完成形」です。
ギターケースを開けるたびにため息が出るほどの美しいルックス、そしてアンプから出た瞬間に心を掴まれるヴィンテージサウンド。
「P-90とホロウボディの生々しいタッチ感に、ちょっとしたアクセントを加えたい」
「他の誰とも違う、圧倒的な存在感を放つギターが欲しい」
そう願うギタリストにとって、ビグスビー B3 カジノは、まさに究極の選択肢と言えるでしょう。この組み合わせが放つ抗いがたい魅力に、ぜひ酔いしれてみてください。